タバコ依存性についての考察。2 ~二つの依存~
私が感じた喫煙依存のメカニズムについて話を進めていきたい。
一般に喫煙による依存を引き起こしているのはニコチンであると認識されている。
しかし、その認識は如何に乱暴なことか後々知ることになる。
私が禁煙1ヶ月目にして思い至ったのは、タバコ依存には身体的依存はもちろん、精神的依存についてもう一段掘り下げた時に"習慣的依存"による影響を体感したことが非常に大きいということである。
なぜそれを体感できたか?
その頃の禁煙手法としてニコチネルパッチを用いていた事による。
これはニコチン入りのシールを体に貼る事により、体内にニコチンを供給するものである。
それであるのにもかかわらず、タバコを吸いたいという欲求が頭をもたげるのである。
習慣的依存の例として朝起きたら一服、食後に一服、休憩時、就寝前に、飲みの席で、等々の潜在意識に刷り込まれた長きに亘る当たり前と思われる行動パターン。
禁煙対策するにあたって、ここについての対策は不可欠である。
この習慣を取り除く、または何かに置き換える必要性が出てくるのである。
しかしながらこの習慣的パターンを”メタ認識”すること自体が喫煙の呪縛から解かれる重要な要素である。
もうひとつの問題である身体的依存。
ニコチンパッチを使用している以上、身体的依存は免れない。
ここに対しては少しづつ体内のニコチンを抜いていくことと、その状況に体を慣らす必要があるだろうと考えた。
学術的には脳内物質であるアセチルコリンが喫煙によるニコチンに置き換わることによってアセチルコリンによる回路が正常に機能しなくなるという事らしい。
禁煙時の離脱症状は当面3日は相当にきついものがある。
ヘビースモーカーであれば相応の覚悟を要するであろう。
この感覚は非喫煙者には理解しえない胆力が必要なのである。
当然、周囲の協力や理解など得られない領域であるものとして、環境には特に気を付けなければいけないだろう。
禁煙時において環境ストレスはもっとも恐れるべき大災害である。
筆者もその災害(火山噴火的惨事)に見舞われ、もろくもその企ては失敗に終わるのであった。orz
その後2年余りまた喫煙者に逆もどりしたという。
良くも悪くも人間にはホメオスタシス機能(現状を維持しようという機能)が働いている。
それが現状の外に出る事を中々どうして許してくれないのだ。
次回に続く